ヨウ素を取り込む臓器と組織

以下は、近年の研究でヨウ素(Iodine)を取り込むことが確認されている主な臓器および組織である。これらの部位では、ヨウ素がホルモン合成、免疫調節、抗酸化、防御機能などの多様な生理作用を担っている可能性が示唆されている。

1. 男女共通の臓器・組織

・甲状腺:ヨウ素の主な取り込み・利用部位。甲状腺ホルモン(T3, T4)合成に必須。

・唾液腺:ヨウ素を高濃度で濃縮する。

・涙腺および毛様体:眼球周囲の分泌器官。

・胃:胃腺細胞におけるヨウ素濃縮が報告されている。

・膵臓:一部の膵細胞でヨウ素取り込みが示唆されている。

・神経系:脳や末梢神経でのヨウ素の機能は不明だが、取り込みがあるとされる。

・免疫系細胞:T細胞、B細胞、マクロファージ、樹状細胞などがヨウ素を取り込む。

2. 女性特有の臓器

・乳腺:授乳期に特にヨウ素需要が高まる。

・子宮・卵巣・胎盤:生殖関連器官におけるヨウ素取り込みと分化調整の役割が注目されている。

3. 男性特有の臓器

・前立腺:一部研究によりヨウ素取り込みが報告されている。

4. 補足:ヨウ素の機能的意義

ヨウ素は、単に甲状腺ホルモンの構成要素であるだけでなく、抗酸化物質としての機能、免疫系の調整、細胞分化・アポトーシス促進作用など、全身にわたる生理学的役割が報告されている。特に分子型ヨウ素(I₂)は、これらの作用を強く持つことが明らかになりつつある。